おとなの自然塾「野生の木の実を求めて歩く〜一粒のタネに宿る生命力を食べる」が、神奈川県相模原市藤野町で行われました。講師は帖佐仁美です。
このプログラムは、自然に落ちている木の実を探しながら、里山をゆっくりと歩き、拾った木の実の野生の味を試してみようというもの。
当日は山の谷筋から水蒸気がたちのぼる雨上がりの朝でした。清々しい空気の中を野生の木の実を求めて歩きました。最初はなかなか木の実を見つけにくかったのですが、クルミやドングリの葉の特徴や、落ちている木の実の状態のポイントがわかってくると、自然にたくさんの落ち葉の中から、木の実が眼にとまるようになります。足もとの地面だけでなく、梢の先にも眼を向けて歩きました。
「あっ!みつけた」アチコチから声がしました。「こっちもあった!」
自然の拾いものは、ひとつ見つけると、どんどん見つけたくなって探していく、その繰り返しがまた面白くなります。探す眼になることで、木の実だけでなく、自然のいろいろな魅力や発見をしていきます。そんな見つける楽しみを体験すると、益々、見つけることが面白くなっていくのです。
ネズミやリスが食べたあとのクルミもたくさん拾っていました。よく見るとかじったり、引っ掻いた跡も。
ドングリは代表的ないくつかを、テイスティングしました。
「家の近所にもあるか、今度、歩いて探してみます」と、参加者の皆さん。
クルミは、ゆでたり煎ったりと、いくつかの方法を試したのですが、結局、とれたての新鮮のクルミが一番おいしい、という結論にいたりました。
一粒の木の実は、生命力が凝縮したもの。森の中でクルミやドングリや、動物たちの大切な食料源でもあります。
今回、奇跡的な瞬間がありました。それは、皆さんが木の実を探していたときのこと。クルミの木の梢から、一粒のクルミがポトンと落ちてきたのです。何年もこのプログラムを続けてきていますが、こんな瞬間にでくわすなんて。
一粒に宿る、自然の恵みに感謝する1日でした。
参加した皆さん、ありがとうございました。ぜひ、今度は自分の家の近くや、でかけていった先の森で、ドングリやクルミの木の実を探してみてください。
【帖佐仁美】