コラム

野生を呼び覚ませ! 〜生きている実感を取り戻す〜

2017.03.22

第2回:野生を呼び覚ますいくつかのアプローチ

野生を呼び覚ます、つまり自分の生命エネルギーが発露するような状態には、どうしたらなれるのか。その方法について考えてみたいと思います。
Be-Nature School運営20年の経験、さらには子どもの頃からの様々な体験を通じて、「これは有効だ」と私が思うにいたったアプローチをいくつかに整理してみました。

それは

1:現場に立ち会う
2:静寂にとけこむ
3:森の中を駆ける
4:道なき道を行く
5:生きる為に動く
の五つです。これだとなんのことだかわからないと思いますので、何回かに分けて説明していきましょう。

まずは「現場に立ち会う」です。
なにに立ち会うか?自然のエネルギーが、ぐぐぐっと溢れ出す現場にです。

私が真っ先にイメージするのは、マグマが地表に溢れ出す活火山。例えばハワイ島では溶岩が吹き出して、毎日新しい地面がつくられる様を身近に見ることができます。
今年の新年会で行った三宅島も近いものがありますね。三宅島は伊豆七島のなかでも、短い周期で噴火する島で、10数年ほど前に噴火した溶岩の上を歩くと、地球のものすごいエネルギーを感じることができます。これは普通の地面では感じることができません。
もちろん、噴火は災害の元凶でもありますので、そこを十分に認識することも大切です。

あるいは、実生。
ドングリなどの木の実から根が生え、そして芽が生えてくる様を実生(みしょう)と言います。溶岩噴火に比べればすごく地味ですし、森の中を歩いていてもちゃんと探さないと見逃してしまいます。
でも、根と芽がドングリから出てくる様は、まさに生命エネルギーの発露。こんなに小さないのちのかたまりがあんな大木になるなんて、単純にすごい!そして愛おしいと思います。

蝉の大合唱もいいですね。
都会でも蝉の声を聞くことはできますが、隣の人の話し声も聞こえないぐらい大量に鳴り響く夏の昼下がりは味わいが違います。一週間しか地上で生きられない蝉たちの、いのちの限りのエネルギーの発露をシャワーの様に全身で浴びると、自分自身も「生きてる!」という感じになります。

そしてこれからの時期、素晴らしいのが「バードシャワー」です。
4月下旬から5月初旬は野鳥達が求愛のために精一杯さえずる季節。夜明け前のまだ暗い森の中に入ると、一番鳥が鳴き、やがて森の中全体が野鳥の声で一杯になってシャワーの様に降りそそぎます。この瞬間でなければ出会えない体験。まさに生命エネルギーの発露そのものです。

そんな素晴らしい体験を皆さんと共有したく、フィールドプログラムを企画しました。
題して「バードシャワー、響き合う野生〜野鳥のさえずりを全身で浴びる夜明けの森」です。
日程は4/22(土)〜23(日)、場所は奥多摩です。野鳥の野生と響きあいに興味を感じた方は是非、ウエブでチェックしてみて下さい。