12/7(土)はファシリテーション特別講座の最終回、「準備の7割はこれでOK!皆がその気になるアウトカム設定の秘訣」を実施します。講座の担当講師はマーロンことビーネイチャースクール代表の森雅浩。今回のインタビューは、この企画・テーマに対する鋭いツッコミを期待して、トミーこと冨岡武さんに聴き役を依頼しました。講座への想いとその背景にある実体験をまとめてお届けいたします。日々ファシリテーションの実践に取り組んでいる皆さんの参考となれば幸いです。
(聴き手:冨岡武 話し手:森雅浩)
そもそもなんでこの企画?
冨岡:はい、では早速、話を聴かせていただきます。そもそもなんだけど、タイトルの「準備の7割はこれでOK!」にある準備って何の準備?準備って必要なの?
森 :ワークショップとか会議。自分がファシリテーョンを使う場面にむけた準備。それは絶対的に必要でしょう(苦笑)
冨岡:絶対的に必要ですか(笑)で、準備の7割がこれでOKとのことだけど、具体的にはどういうこと?
森 :本当に7割かどうかって、正直言ってわからないんだけど。ただ、普段ミーティングやってる時は、丁度この前もそうだったんだけど、アジェンダは出しても終わった時にどういう成果を求めるかっていう確認とか設定って、毎回はやれていなかったりする。でも、本当はやった方がいいし、やるには準備しないと無理なのよ。それには、会議のオーナーとファシリテーターが同じ人であればまだいいけど、違う時は特に相談と準備が必要で、実際、会議の質が圧倒的に高まるんだよね。
冨岡:オーナーとファシリテーターが一緒に準備するんだね。で、今やっていた会議は何についてだったの?
森 :今日のは定例会で、共有すべき情報を共有しましょうというのが目的なんだけど、アジェンダはある程度予想がつくし、どのくらい話し合えるのか組み立てられると思うのね。“だったら、ここまで行こう”とか、“次に向けてこういうことが起きているようにしよう”みたいに考えられるわけなんだよね。会議ってそのあとの現実に向けてやるものだから、アウトカムの設定が曖昧よりは、ちゃんと決まっていた方が、会議そのものが楽しくなるし、やってよかったねという気持ちになる。でも実際のところ、準備の時間が割けなくて出来なかったりするのが現実だよね、、、なんだか段々自虐的になってきた。
冨岡:楽しくなるし、やって良かったねと思えるアウトカムね。えーと、改めてだけど、アウトカムっていう英語、他になんと言ったら分かりやすいかな?ひとことで表すならなんだろうね?
森 :自分では「求める成果」という訳をしているけど、トミーがよく使う「ゴールイメージ」も分かりやすいし、同義語と捉えてる。そもそも、アウトカムという言葉を知ったのは、ファシリテーションの講座をやるようになって、中野民夫さんがデイビッド・シベッツさんの「OARR」[1] を提示した時なんだけど、「O」が「オブジェクティブ(objective)」 でもなく「アウトプット(output)」でもなく「アウトカム(outcome)」という言葉だったことにいたく感動したのね。「カム」なんだよ。いい言葉だなぁと思って。
冨岡:「オブジェクティブ」 でもなく「アウトプット」でもなく「アウトカム」なんだと。そんなに感動したんだ。
森: 正直、知らなかったんだよね、その単語を。後で辞
書で調べると「成果」って意味だったんだけど、自分なりに解釈してみて、これはいい感じだと。だって良くないですか?なんか、その「来る!」「来た!」って感じが。それで僕が感動した意味をどうしたら上手く伝わるかと考えたんですよ。「アウトカム」を一つのキーワードとして置いて、それをどう作ったらいいのか、実際の現場でどう表現したらいいのかというのを、皆さんにお伝えしたいと思って。連続コースでも教えていることだけどね。
冨岡:なるほどね。まず、言葉として、語感も含めて「ア
ウトカム」が気にいったんだ。まさに「来た!」と。
森 :そう、気に入ったね。似たような言葉に「目的」と
か「目標」とか「ねらい」とか、何気なく使っている言葉が色々あるけど、わかんなくなっちゃうんだよね。実際、人に聞いてみると意外と皆違って、解釈がバラバラだったりして。今回の講座では似たような言葉をまとめて扱って、皆でニュアンスも含めてその違いを皆で考えたいと思ってるんだ。その中で「アウトカム」の「カム」な感じも伝わるんじゃないかと。
[1]十分かつ簡潔なオリエンテーションをするためのコツとして紹介している。詳しくは『ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ』(岩波書店)P128に掲載。
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