森雅浩の物件探しの旅

第5話 理想と現実

2013.12.02

選択肢の罠

物件を探す際の選択肢に関してはまさに様々なものがありますが、最初に絶対決めなくてはいけないのが賃貸か?購入か?という選択。
不動産物件サイトの大手、at home やhomesに関してもそうなっています。次に選ぶのが、住宅か事務所か店舗か土地か、といった項目で、あとはエリアや賃料などの条件を指定して絞り込んで行くわけです。

よくできているなぁと思います。人に物件紹介を頼むときにも、まずこのあたりを決め込んでいかないと頼めませんからね。
すごく現実的です。
でも、検索を進めて現実の厳しさを知るにつれて、気分が徐々に下がっていくこともあります。
一方、東京R不動産は、「レトロな味わい」「ロフトっぽい」など、すごく感覚的な選択肢があって、それをチェックすると賃貸と売買の区別なく物件が出てきます。エリアはあらかじめ東京と決まってはいますが、面積などの検索条件の入力もできません。
これって、画期的だなぁと改めて気づきました。自分の設定した枠を越えて意外な出会いを生み出す仕組みがそこにあります。それがワクワク感を生むんですね。東京R不動産の第一の意義は物件探しのプロセスを変えたことで、面白い物件がそろっているのはそのシステムを支えるためのものだと解釈しました。

とにかく探す

そこで東京R不動産の林厚見くんに再び連絡し話を聞いたら、彼らには顧客の要望に応じて物件を探しだすサービスはないそうです。確かにそうですよね。
ウエブに乗せる物件を探す。それが仕事なわけです。
じゃあ、東京R不動産が自分たちの事務所を探す場合にどうするか?足で稼いで自分たちで探しつつも、検索サイトも使うし、業者も使うし、とにかく声をかけまくりで広くさらっていくそうです。
結局、とにかく探すということですね。

ちなみに最近は面白い不動産検索サイトも増えていて
改装可能な物件だけを集めた
http://www.diyp.jp
なんていうのもあります。
たとえば
http://www.diyp.jp/room/256
都立大学・武蔵小山徒歩15分
90平米で155000円は安いです。
スケルトンながらそのまま使っても味がありそうで、悪くないかもですね。

別荘リゾート物件を集めた
http://bessoresort.net/index.htm
なんていうのもあって、おもしろいです。
実際には大変だと思いますが、別荘的なオフィスで働くってあこがれますねぇ。たとえばこの物件
https://bessoresort.net/estate-detail4381.htm
南伊豆で土地所有権つきで100万円!これなら自分でも買える!
でも通えないね(笑)

方向性を再び

さて、振り出しに戻る。条件を積み重ねて方向性の具体化が必要です。
あらためて二択の条件を並べてみましょう。
1・賃貸OR 売買
前にビル持ちの話を書きましたが、これを都心で追求するには自己資金やローンの設定に無理があるのは事実。賃貸が現実的か?
2・都心OR 郊外(田舎)
これは真剣にどうしようかと考えています。半蔵門から渋谷に戻ったとき、もうそんなに都会でなくてもいいな、と正直思いました。Bunkamuraの真横に2年間もいながら、いまだに展示もコンサートも映画も行っていません。さらに渋谷駅が改装されてから少々使いにくく感じているので、自分は代官山から20分かけて歩いています。
都会でなくてもいいということなら、田舎に引っ越すという話も浮上します。社内の「地面があったら何がしたいんだワークショップ」の一応の結果として出てきた「欲しいフィールド」のイメージは、山もあって森もあって海か川があって東京からそこまで遠くなくて、でも自然が濃い場所。
実は事務局にそのあたりに毎週のように通っているスタッフがいて、彼女曰く「その気になれば物件はある!」との話。
ではBe-Nature Schoolが田舎に引っ越したらどうなるのか?
ごめんなさい、真剣に考えました、といいましたが、どうもイメージがふくらみきれません。
多分、地域のリソースを活用した事業や、地域連携の事業にシフトしていくのだろうと思います。そうでないと田舎に転じた意味がないですよね。
やはり田舎に転じるなら本当に素敵な場所、引き寄せられる出会いが必要です。
では、都会にとどまるなら何処なのか?
3年前、渋谷区渋谷1丁目から千代田区隼町(半蔵門駅近く)に引っ越しましたが、正直最後までなじめませんでした。自分で探して自分で決めておきながらお恥ずかしい限りです。空気感とか、そういうものでしょうか。結局1年2ヶ月で渋谷に戻ってしまいました。
さっき、そんなに都会でなくてもいいかなと書きましたが、どうせ都心だったらなじむ場所がいいですよね。
これはまったく個人的な見解ですが、私が一番なじむなと思うのは
中目黒、代官山、恵比寿、渋谷、表参道
すいません!これって完全にオシャレエリアじゃないですか。
ちょっとはずれて、目黒、五反田、外苑前、千駄ヶ谷、広尾あたりも。
これまたスイマセン。全然外れてないですね。
3・一戸建 OR ビル
検索サイトを調べていくと意外にも都心の一軒家で事務所可能な物件がでてきます。地面が欲しい、でも都会がいい、となると一戸建てが浮上しますね。使い勝手からいうと、フロアーが区切られてないビルの1フロアーのほうがよかったりします。
ともに捨てがたい。

別のアプローチ

条件を積み重ねていくと現実的に物件は絞られて行きます。それはそれで重要なのですが、もう一つのアプローチとして「これがしたい、だからこんな所に引っ越す!」というのもあっていいですよね。
代々木上原で間借りしていたBe-Nature Schoolが引っ越しを余儀なくされたとき、念じていたのは「とにかくセミナーができる広さの駅から近い物件」でした。そうしたら出てきたのが渋谷区渋谷1丁目の美竹ビル。この物件は不動産屋さんを介してなく、知り合いの紹介でした。
今回もそんな奇跡が必ずしも起きるとは限りませんが、やりたいことを具体化していくアプローチも取ることにしようと思います。

もちろんそれも、こちらから求めてのことだと思いますが。
さらにワークショップのもう一つの結果は「スタッフはみな、結構都会も好き」という結論でした(笑)。
では都心なら都心でどこなのか?これまた果てしなく選択肢があります。長くなりました。これに関しては、次回書きましょう。